あ、すみません。小鉢とか貸してくれますか?
[運んでくれた店員さんに告げてみれば、女子高生二人連れという状況に何かを察してくれて、空の小鉢をふたつ持ってきてくれた。
片方を亜梨沙が使うと言えば渡すけれど、おすそわけは出来れば亜梨沙の匙から受けたいなんて密かに思ってしまう。
小鉢のひとつに鶏そばの麺とスープ(ちなみに選んだスープはコクうまである)を入れれば、箸で鶏チャーシューと煮玉子を半分にして、白髪ネギとともにトッピングした]
はい、どーぞ。
[小鉢に入れた、鶏の旨みが香る白湯スープはまだ湯気を立てたまま。
こういう事が亜梨沙と出来るのが嬉しくて、その嬉しさのままに笑って亜梨沙へと小鉢を差し出した]