俺は、…卒業して、ほとんど軍に居たな。
あちこち行って、あちこちでナイフを振るって。
おまえを――…殺ったように、 たくさん、殺してきた。
おまえは…どうだったんだろうな。
おまえの手は、そういう血塗れのもんよりさ。
…それこそ、菓子とか、イイ匂いのもん。作ってる方が、 いいな。
ずっといい。幸せで。平和で。
おまえには、その方が――…きっと似合うよ。
といっても。
俺もおまえも、士官学校の出だ。
甘いこと言ってられねェ、っていうのも、分かるけどさ。
[手のひらを、目の前に伸ばして。
其の手で摘み取ってきた、多くの命のことを、考える]