―廊下―
[大広間からの帰り道、>>#1罰ゲームを賭けたポーカーをするらしいと聞き付けたあたしは、頭の中でスイッチが入るのを感じた。
従兄弟に教えて貰って何度かやった事がある―誓って賭けはしてない―から役くらいは分かる。
カードの交換はなしなら、まさに運勝負ってところだろうか。
ちらと玲緒の方を見たあたしの瞳は闘志で燃えていただろう。
もしかしたら続く言葉も予想出来たかもしれない。]
玲緒、あたしと勝負よ!
もしもあたしが負けたら…そうね、明日好きなもの何でも奢るわ。
[修練場で、或いは依頼で。
腕試しの機会が与えられる度、繰り返し玲緒に掛けていた言葉。
但し、いつもとは違う言葉が後につく。
本当は指でビシッと決めたい気分だったけど、人を指差すのはいけないって躾られてる。
それでも張り上げた声は、当人だけでなく周辺にいた人にも聞こえただろう。
同じクラスになった事のある人にとってはきっと見た事のある風景。**]