レディ・アイリ。
あの鷹は君の'眼'か。
伝令の役も果たしてくれるだろうか?
可能であれば、あちらの軍の
矢文でも構わないよ。
[ケルコムにはないはずの高い空を旋回する鳥影を見上げつつ、宙空から取り出すのは家紋の入った立派な便箋。
書かれているのは、軍団戦で整えようと考えている陣容だ。
いわく、
中央に騎兵、左右に弓兵、後隊に歩兵という布陣である。
こちらの勝負がつき、開戦できるようになるまで、今しばらくの時間をいただきたいと、自軍指揮官──すなわちフェリクスのフルネームを併して諸諾を請う文が記されていた。]