仕立て屋 エルナ

　―回想/洗濯しながら―

[そういえばあの時、隣にはリーザがいた気がする。>>454

彼女は、ただ俺がレジーナにしこたま怒られているのを、隠れて聞いていただけだったのだが、ぷんぷんだったレジーナが、彼女の隠れていないおしりを見つけると、一緒に俺の隣に座らせた。
リーザからしたら、とんだ災難である。

ひとしきり2人で怒られた後、俺が散らかした洗濯室を一緒に片付けた。リーザは、「とばっちりだ」と口を尖らせていた。]

　ふーん、
　僕が怒られているのを、
　隠れて盗み聞きしてるのが悪いんだ


[素直に謝ればいいものを、盗み聞きされていたことに意地になっていた俺は、濡れた床を拭きながら、そんなリーザを、少し意地悪げにからかった。

それからの記憶は曖昧だが、あの時は怒らせてしまったっけな。どうだっただろう。もし怒らせてしまったなら、いつ、どうやって仲直りしたかも、今は覚えていない。*]