ん…? いや、君の姿が見えたので、な。[目覚めたらしきベリアンに目をくれず彼の直ぐ傍へ佇み、縁を持ち上げ新聞を読み耽る。博覧会の話程度は城内でも噂されていたかもしれない。無論、基本的に籠の中の鳥である自分たちには携われぬ、外の世界の出来事だが。そうして指先で追う文字の先、ひとつの記事に気づく。]