―――!?[ 『気がついたか?』と、問いかける声>>432 自身を覗き込む瞳に一気に記憶が戻ってくる。 脚本じたての芝居にも似たそれらの記憶は けれど紛れもなく自分に起きたこと 記憶ごと失ってしまったほうがよかった そんな恨み言を吐こうとすれば 問いへの答えに、苦いものが喉をこみ上げてくる 息を飲むことで、それらを押さえつけ飲み込んで]