― 5年前・卒業式 ―[1年前の今日と同じように空は晴れ、小鳥達が楽しげに囀りまわっている。既に帝国皇帝の先が長くないのではという噂は、シュヴァルベにも公国までにも届いていて、町をゆく人々の顔も、昨年ほどの明るさはなかった。それでも、トライブクラフト伯、ベルンシュタイン候等の尽力もあり、皇帝の後継者とも接触を試みようとしていた。皇帝の後継者が同じように和平を目指してくれれば、平和は保てるはず、そう信じていた]