[弾のこめられていないそれは、乾いた金属音だけを響かせ、
それきり腕から離れて落としてしまい、その腕も力なく後を追うように。
残りの弾、全部預けてきたのは失敗だったかなと、おぼろげな意識で。
相手が帝国の兵士ならば、彼に繋がるかもしれないと、どうせならばと]
……
[小さな呼吸交じりに、唇は音を漏らさず。
けれどもその仕草が伝えたい思いを相手に伝えることができるだろうか。
腰の小箱を示す仕草。
もしそれが自分の知る人のもとに渡れば、気づいてもらえると。
一番最後に入った、自分の同室者であり、兄であった人の認識票が一番上に入っているから。
シェットラントの名を刻んだものを]