― 緑の聖殿 ―[治療が開始されるのならば、左袖の無くなったダマスク織の上着を脱ぎ背の傷を晒す。服の上からだったとは言え衝撃は強く、肌は擦れたような痕があり。また、打撲によりその色は変色しつつあった。骨が折れている、と言うことはなさそうだったが皹は入っているやもしれず、医療の心得が無い場合は触診で気付けるかは怪しいところ。それだけ、背の打撲痕も広かった][脱ぎ捨てた上着を見詰めながら思うのは、替えの服が必要だなと言う、贖罪《たたかい》とは全く関係の無い*こと*]