[頭の中響く声に、言葉を返す。先程言うだけ言って、こちらの返答も聞きやがらなかった答えを]
――愛してるよ。ステファン。
ちっさいくせに頭撫でると拗ねて、でも嫌がらないとこも
俺が嫌がるの承知で、嫌われると怯えてもやめないとこも
いつまで経っても俺よりばーちゃん追い続けてるとこも
突飛なことやらかして、でも楽しそうに笑うのも
人の気もしらずに勝手に俺が離れる気満々でいやがるとこも。
お前の命、お前のすべてを愛してる。
[だから。銀の手甲をそろりと自らの頬に当て――まっすぐに横に引く。既に奪われほとんどの力を失っていた、最後の力が流れ出す。
倒れこんだ体、先に意識を失ったのはどちらだったか*]