[真鍮の懐中時計が示す針の在処に、漸く今を知る。
相手の言葉に余程酷い顔色をしているのかと、頬に手をあててみたりもしたが、その動作すら緩慢だ。]
……そう、まだそんな時間だったのか。
休んで良くなる苦痛であればね。
[近づいてみれば、少なくとも自分と同じような雛ではありえない気配を感じとる。]
…自ら陽に身を焼くなら処分に好都合だろうに、理解に苦しむ。
まるでヒトだな、あなたがたは
[案じての言葉か、勝手をされては困ると言うだけか。
どちらの意図にせよ、先程の偉そうな吸血鬼よりは会話が成り立ちそうな相手にそう感想を漏らした。]