旅人 ニコラス

― 前夜・クララと ―

[ゲルトが横になっている部屋から出てきたクララとすれ違った>>331。
倒れた友人のために、司書も手を尽くそうと頑張ってくださったのだろうと思いついて、笑みを浮かべた。]

気遣いありがとうございます。もちろん、十分気を使いますとも。
ただでさえ人手が少ないのですから、看病に回せる人員は全てゲルトに向けなければなりません。

そのためには、健康第一ですよね。了解いたしました。

[慣用句の意味を理解して、深く頷く。]

でも、無理をしないでの中にはクララさんも入ってますよ。それだけは忘れないでください。

[その場を去る直前にそっと告げる。
クララが誰も傷ついて欲しくないと思っているのと同様に、自分もクララには傷ついて欲しくない。**]