[すんでの所で意識を保っていたが。思いの他こっぴどくやられたもの。痛む体を震わせ、立ち上がると人に姿を変える。こちらの獲物は喰えなかった。よくある事さ。] 弱いっす。自分は。[こういうのは似合わない。歯牙にも掛けられない存在だからこそ、生きていられたのだから。やがて離れた場所までやってくると、ボロボロになった上着を脱ぎ捨てる。それは傷つけられた毛皮の証だ。]