ジーク。お客様のことは頼むよ。[我が子へ、言外に安全なところへいるようにと言って、弟とは軽く視線を見かわすだけ。もっとも、ついてくるものは誰であれ、追い返すつもりはない。嬉々としてサロンから出ようとした足を止めて、アプサラスの方を振り返った。] すぐに戻ってくるつもりだ―――けれども、 城内騒がしくなったら、許しておくれ。