[たまに、アースガルドのことを聞くことがあった。>>402
あの国だけは、存在してはならないと。
その顔は、いつも機械の話を教えてくれた彼とはまるで別人のようにも思えて――けれど、
別、と言い切るにも、違和があった。
酷く深いところにある渦巻く何かが、強く溢れ出しているのを聞くような、そんな感覚を、
言葉に出来ずとも肌に感じていた、そんな気がして。]
[ 例えばこの存在を、本当の意味で知られたとして、
幾重もの意味で、許されるべきものではないことも、
どれほどのニンゲンに銃を向けられ、
殺され続けても許されないような、
そんな存在であることは分かっている。
けれど、もしいつか仮に、
迷いないその銃口が向けられたとしたら、
――… 自分はそれを、
“受け入れない”
けれど、彼を殺すための銃口を向けることは、決してないに違いない。
例えば、それこそ、“人狼”だという、何らかの確信でもない限り。]*