― 試験後/教室 ―
[茶色い毛は、恐らくは風の悪戯か何かだったのだろう。
これだけウサギや猫を愛する者らがいるのだ。
毛など、そこかしこにあるといっても構わないだろう。
だから、それをつけたままいたからといって、
誰かが笑うわけでもない。
…が、己の不覚を知ればこうした反応になるだろうこと、
最初より分かっていてのからかいだった。
なんのかのと、八年間同級生をやっているのだ。
互いの性格も知れようもの。
見る間に変わるクラスメイトの顔色>>434を、
面白そうにディークは眺めた。
実際、赤くなる顔とは対照的に笑みがどんどん深くなる]