― 軍議の直後/ベルサリス修道院跡 ―
[ 声をかけた時、ツェーザルの視線は、やはり下を向いていた。
だが、護り切れなかった、という想いは、自分にも、そしてクレステッドや他の兵にも有り、それぞれが同じ重さで、その責を感じてもいる。
大切なのは、悔いに心を捕らわれたままではいないこと、それはきっと、この若者にも判っているはず、と、言葉を重ねれば、溢れ来るものを拭って、決然と顔を上げる姿>>420 ]
その意気だ!
[ 破顔して、ばん、と強めに背を叩いてから、少し声を潜めて ]
しょーじき、クレスの奴が張り切りすぎてて、ちょっとばっか危なっかしい。そっちのフォローも頼むな。
[ そんな風に付け加えたのは、似た者同士の彼等が互いに視線を配っていれば、自分勝手に突出することが却って難しくなるだろうという、計算を含む。
命懸けで働かねば、護りたいものを護れぬ戦場...けれど若い彼等が無為に命を散らさぬように.........きっと、先に逝った主も、そしてここに向かっている新しい主も、そう願うに違いないから** ]