[また、もう一つ気になった点がある。]
……ところで。
貴方も今来られたのですか。
[此処へ到着した際の抱擁や離れ難い一瞬を見られていなかったか
という懸念を抱いており、万が一にも目撃されていたならば
どう言い訳をしたものかと思案していた訳だ。
まことに残念ながらその懸念は現実のものとなっているのだが、
彼も人ならざるものの力を体感すれば恐怖も抱くだろうと
返す言葉を組み立て始める。]
[思い出すだけでも、怖い。
先程のように身体は崩れはしていないかと、彼を見つめていた
視線は徐々に下って行った。**]