[狼の姿で疾駆していると、周囲に並走する気配が出現した。凶相の狼や長い牙に松明をくくりつけた猪といった獣の背や、それらに引かせた歪んだ二輪武装戦車に、せむしめいた妖魔が乗っている。魔界の軍団だった。>>#0のC群れが黒狼に攻撃してくる様子はない。勝手についてきているようだった。構うことなく黒狼は地を蹴る。世界の支配者にまつろわぬ者どもの本拠地たる黄砂の村へと。**]