幸い、五行と云えば万物元素と謳われる。
余程穢れていない場所なら、霊脈?とやらを引き出せるだろう。
今では卜占も大分廃れた時代だが、此処は古都だからな。
神仏も未来ある若者を放置しておきはしないと思いたい。
[咳払いを挟んで仕切りなおすと、
彼女と歩幅を合わせるように誘う歩み。]
―――…ともあれ、詳しいことは場所を変えよう。
おいで、琉璃。茶菓子でもご馳走するぞ。
何、“昨日の甘味の礼”だ。気にするな。
[勿体ぶって、含ませて。
淡く翡翠の双眸を撓めて笑むと、力強く肩を抱き寄せた。*]