―城館・廊下―[声を掛けられた事に>>451気が付いたのは、まず小間使いの方。足を止め、声のした方へと促されてようやくである。]……返事をすべきかどうかは悩ましく思えましたが、無視すべきではない呼び名ではありますね。[受け入れたくなくとも、強制的にそうせざるを得ない方向へと己が身を向けられる現状。彼もまた、自分自身と同様なのか。唐突に未来を奪われ、絶望の淵に立っているのだろうか?声の調子とその仕草から何かを探ろうと、目を細める。]