― 回想・国立病院 ―
[和平推進派の外務大臣襲撃の報は、すぐに男の耳にも届いた。
そして外務大臣の代わりに、ステファンが重傷を負ったとも。
出兵の準備に忙殺される中ではあったが、
彼の見舞いへと駆けつけた。
沈痛な面持ちの彼の両親に挨拶をしてから、
寝台に横たわる、ステファンの白い顔を見詰める]
ステファン……。
また……お前の淹れた紅茶、飲みたいな。
ああ、出来れば、俺とお前とだけじゃなくて。
……生徒会長さまとも一緒に。
[卒業後初めて、彼の名前を出して。
口にしたことが現実になればいいと祈った――]