― シュビト港 ―
[商船や貨物船、漁船までをも駆り出した兵員輸送の準備は今も慌ただしく続けられている。
所詮は軍艦ではないので、海戦ともなれば危険なこと甚だしい。
そのためにこそ、まずは船足の速い船で8000人を送り出し、橋頭堡を築くことにしたのだ。
そんな出港準備を見守っていた朝、不意に港に大きな影が過ぎっていった。]
……?
なんだ、あれ。
[振り仰げば、東の空になにか浮かんでいるのが見える。>>418
遠すぎて、かつ逆光で良くは見えないが、
雲とは違う、明らかに何か不自然なものだった。]