― 交戦当日・ティユル河岸→ ―……、いる。それも一人や二人って人数じゃない。[河の周囲を守護している部隊だろうか]でもこっちには気付いてないみたい。じゃあさっき来たばっかりの指示通りに、まずはあの部隊に仕掛ける!一番近いからな。[短剣で霧の向こうを指し示せば、副官や血気盛んな面々を先頭集団に、小隊が船から降り、戦場へと突入していく。少年はしかし、前に出ない。後方支援に回るのが主な面々のさらに後ろで、ふいに、周囲を漂う霧のごとく重苦しいため息をついた]