[切り上げた剣には手ごたえがあった。金属と肉とを裂いた衝撃が腕に伝わる。それもまた、調練では知ることのないもの。落馬した彼女にさらに挑むべく駆け寄ったところで、彼女の素顔と向かい合うこととなった。こちらを睨みつけてくる枯色の瞳。共に、学び舎で過ごしたことのある学友。] …っ![逡巡は、半瞬ほどの間だった。両手で一本の剣を握りしめ、切っ先をフィオンに向けて振りあげる。]