― 砂漠の町 ―[行けば、目指す姿はすぐに見つけられた。椅子に座り込む赤毛の男は、目立つのだ。今は幸い妙な者らがいる風もなく、彼を害した者もないようだ。それに内心、ほっと息をついた。かの狼が、友を手当てしたことまでは知る由もなく]ギィ、[足音を殺さずに行く。服は替えられていたから、既に軍装が血に染まっているようなことはない。けれど盾はなく、左腕も碌に使えそうにないのは見て取れるだろう]