[血のにおいが薫る>>456
他のものの血ではこんなに反応したりしない、彼の血だけが。どこか怪我をしたのかとふと眉が心配そうに寄せられるが…
投げつけた石に傷つけられて、彼の右目から鮮血が飛ぶ]
―…っ
[喉の渇きに空いていた右手で一瞬喉に触れる。その一瞬に、ステファンが一気に距離をつめた。咄嗟短剣を右手に持ち替えるが間に合わず、銀の手甲が鳩尾に叩き込まれた]
ぐ…
[ただでさえ低い魔の力が一気に奪われる。銀製というだけでなく、同族の遺灰を練りこんだ一品だ。
後ろに跳んで距離を取ろうとして…距離を取り続けていてもキリがないと、そのまま力ない一閃で横に薙ぐ*]