[ 神に助けを請うよりも先に 男の名を呼び憤怒に身を震わす。 ] お前に名乗る名など、ありはしない。[ 頑なに拒むも力で敵わない。 その事実がどれ程この天使のプライドを 削るか、この悪魔は知っているだろうか。 音のしない心臓に耳を押し当てられる。 いやだ。触れたくないと怖気も覚えながら 近く男の顔を見上げて顔を強張らせて しかし、唇が触れる前に天使は 口角を上げて微笑んだ。 ]