[肌に心地よい空気を、冷と裂いた一条の旋風>>442
庇う腕に収められ、濃淡なす互いの赤髪が舞い散り、一色に溶ける]
ッ、幸兄、お願い動かないで…、痛い、
[細やかに絡み合い、僅かでも引き剥がそうとすれば
激痛を訴える縺れは、双子の定めを示す縁のごとく。
兄が身じろぐ痛みに薄ら涙を滲ませ、くいと裾を引き留める。
――そこまでだ。と颯爽と空気を破り、
何処からともなく現れたのは、自称仏僧Tさん>>444
曰く、其れは呪詛の一種であり、力尽くで対処すべきものではない。
身に宿す五行の属性なるもの、加護の力に委ねるべきだと。
互いが具える属性までに渡る懇切丁寧な伝授に、静かに頷き]