(先んじて出世コースに乗っていく連中を歯噛みして見ているしかないと思っていた。
私は親元を離れて一人、大学寮でひたすら統合経済学の研究に没頭していた。
そんな中だ。
彼が、
「君の論文は読んだよ。……愛おしいね。ここには君そのものがすべて詰まっている。
文章と数式に君という人間のエゴをすべて詰め込める。
これは特異な才能だ。
だが、その才能をもっと別なかたちで発揮したくはないか?
君の鬱屈をすべて受け止め、昇華できる場所がある。
興味は、ないかい…………?」
そうして知ったのが、"イア"様だった。
私は彼とともに経済界での成功を掴み、そこやがては政界へ。)