[ しとどに濡れた唇が紡ぐのは哀願ではない。 邪で象られた悪>>439に対する嫌悪感だ。 侮辱>>440とこれから先を仄めかす言葉。 それらの意味すら判らずいられたら どれ程良かっただろうか。 一層物覚えが悪く幼心だけで構成され 恐れを見出していれば この怪物の興も削げたのだろうか。 神が賜うた一筋の光すらも 自覚し隠蔽しはぐらかし欺こうとした罰か 花のように散り落ちていく白い羽根。 何も知らず、何も視ずを願う天使に 誘惑の調べ>>441が乗せられる。 ほんの刹那、思い出すは耳元での囁き。 ]