[ おそらく、父親を探せば、話はあっという間に終わっただろう。
この子が怒られて終わり。
……でも、せっかくの"冒険"は、カマキリと同様に終わってしまうから。
それでは、無茶をして、ここまでやってきたのが報われない。
そう思うのは、まだナネッテが子供だからなのだろうか。 ]
ほら、行くわよ。
……お父さんの仕事、見るんでしょ。
私、ナネッテ。
共犯者だから、呼び捨てでいいわよ。
君、名前は?
[ 匿う気は満々。
途中、船のショッピングモール施設で、子供用のキャップと服を買って。
目深に被らせて、少し笑った。── 久しぶりの感覚だった。
船中をあっちこっち連れまわし、噂で聞いた巨大なパフェを食べさせる。
尤も、そのパフェは甘すぎて不評であったが。
キモチワルイと言いながらも完食した姿に、ナネッテは素直に感心した。>>368
当の本人は、横からつつき、数口で食べるのをやめていたから。
味覚の形成に寄与したかもしれない、などという声は聞こえないし、知らないふりをして。 ]