[ ドラゴンの言う通りだ。
"門"の向こうは異界。この世の常識が通じない世界。
その"門"から漏れ出る力は、こちらの世界を狂わせる。
若いころに"門"に触れ、テオドールはその力を身に付けた。 ]
俺は「未来を知る」事が出来る。
[ だが、その能力を正確に話す必要はなかろう。
テオドールは、聞かれた時に用意している返答をした。
「魔法の限界」を無視するその説明で、充分説得力はあるだろう。 ]
俺は未来において、お前の名前を聞いた。
[ ドラゴンは、声を立てて笑った。
テオドールが今まで見た未来に、これほど楽しげなドラゴンの姿はなかった。 ]