― サクソー川/橋の北側 ―[ふる、と首を横に振る。ツェーザルとダーフィト、それぞれから受け取った言葉。そして、友と交わした約束。個として走り出したくなる気持ち──強者と立ち合いたい、という剣士としての本能のざわめきは、それで一時、押さえつけた。それでも、眼前て相対すれば、飛び出すのを完全に止められるかはわからない、が] ……ツェル、見えるか、あの、でっかい影。[ふる、と首を横に振り、呼びかける声は微かに熱を帯びたもの]