―見張り所―
[指示通り、見張りに立つ兵らは交代していた。
見張り長である特務少尉がシフトに入っているのを見て近付けば、電探が察知した不審物についての報告を受ける。
――現在のところ、脅威となり得るものは発見出来ず。
それも踏まえ、現状、先程の報告は装置の過敏な反応によるものだろうとの判断を下した。
頭部を負傷した兵の姿は見えない。
聞けば、念の為に今日は休むように勧めたのだという。正しい判断だと思う。
医務室に行きたがらなかった様子―男は職務に熱心なのだろうと考えていた―が途中で大人しくなったのを思い出したが、それでも曹長に言われれば従ったのだろう。
それともお灸がよく効いたのだろうか。]