[結界の根源は神の力である。誂えられたアデルとユーリエの力を喰い、広大な土地を覆う。二人の身には、一瞬、膝を付かせるほどの加重が掛かるか。次第に馴染むだろうが、この強固な結界を作り出せる潜在能も、教会が二人を同行させた目的の一つでもある。二人の背には、月の光さえ遮る神の加護が降り、己は視線を夜城に向けて細め。] ―――…命の使い時、か。[そっと一人ごちた。]