『……我らの恵みは、外の者に搾取され続けてきた。
その意図はどうであれ、それは、侵略。
故に、それを為して来たものに、容易く信を傾ける事はできぬ』
…………。
『……だが。
南より訪れし風……お前を信じるのは、吝かではない』
……っ!
それじゃ!
[静かに告げられる言葉に、自然、声が上ずる。
傍らのアケルも、期待を込めた視線を長へと向けた]
『ウェントゥスが長の娘、ヴェルザンディ。
お前に一時、力を貸そう』
[その視線に返されるのは、静かな宣。
それを聞いた途端、緊張が、解けて]