[紫を睨む赤が、ふっとその力を抜いた。同時に、千切れんばかりに相手の服を掴んでいた手の力も緩む。胸元を掴むような体勢のまま、頭だけが床を向いた。]ベリアンとは冗談も軽口も散々に交わして来たけれども。……こんなにも、こんなにも、悪い冗談であればいいと思ったことはない。]