[手は、──届くのだろう。不可能と思えないのは、結局のところ、自身もウルケルの血を引くが故か、それとも幼き頃にきかされた英雄譚が故か。 自信と、実力を理解する。それが故に、危惧もあった。戦に巻き込まれることのないままの首都が、戦局の結果だけを見て、どんな判断をするかの。] ────頼む。[ただ、その望まぬ先へ進む道への危惧の棘は、今この場で、海峡を開くことへの賛意を聞けたことでひとつ抜けるはずだった>>298。]