― 回想:公国前進拠点・個人執務室 ―… 、ああ。[そして今。現実の音に、はっと意識が覚醒する。今はあの当時より、格段に目覚めが良くなった。眠りが浅くなったというのが正しかろうか。カレルを初めとする皆との手合わせや遊びは、今にして思えば人を──相手を殺すための鍛錬であったけど、当時は競うこと、腕を磨くことがただ楽しかった。眠りは平和で、容易に覚める必要も感じなかった。今、戦地では眠りはほど浅い。ことあらばすぐに応じられるよう、身体は既に順応している]