― 3年前・公国軍務大臣公邸 執務室の窓の外 ―
[物音ひとつ立てずに壁を素足で駆け上がり。
目的の部屋を窓から覗き込めば、ちょうど護衛官>>411らしき人影がドアを開けたところだった。
護衛のひとりやふたり、居ても構わず目標を暗殺する自信はある。
だができれば余計な死人は増やしたくない、というのが本音で。
書類を机に置いたその男――教官時代に見覚えのあった褐色の肌から、ベリアンであることはすぐにわかった――が部屋を出て行けば、軍務大臣一人で済むからと様子を見ていたのだが]
あ。
[窓辺に下がったベリアン>>412と、目が合ってしまった>>413]