― 記録 ―
【データの呼び出しを行っています...】
ああ!船医!もっと優しくしてくれ!
デリケートなんだぞ、そこは!
「なら、義手を取り換える必要がないようにして―――くれ!」
いだーーーーーい!!!
[半ば強引にもぎ取られるようにして取られた義手が接合部から離れる痛みに、テオドールの上げた悲鳴が医務室に響いた。]
「義手の中身は?」
出した…。
「指輪も取ってるな。少し待ってろ。」
死ぬ…死んじゃう…痛い…。
[そんなことで死なん、と冷たく言った船医に、テオドールが文句を垂れる。
船医は「どんな育ち方したんだ。」とブツブツ言いながら、テオドールの義手の取り換えを行う。]