―二日目・夜―
[NARA’s旅館に帰って来た時は昨日よりも疲労が色濃く、
それは他の修学旅行生も同じだったらしい。
やれポーカーだ罰ゲームだとはしゃいでいた連中も、
旅館では口から魂が抜け出る程に脱力していた。
夕食を済ませた後は即座に大浴場へと向かい、
未だに鹿臭さが残っている気がする体を丹念に洗い流す。
明日も自由観光なのだからまた鹿とご対面する可能性はあったが、
行く理由もない以上大丈夫だろう、なんてフラグを密かに建てて。
湯中りしないよういーち、にーいと心の中で二十秒数え、
浴槽から無事離脱を計ることが出来た。
レポートもない二日目は先に準備を済ませた後、
明日に備え早々と布団に潜り込んで目を閉じた。]