学習し、工夫するのが人間だけでないと見せてやろう。
[ テオドールは軍の本隊を騎士団の布陣の前面に残したまま、五百匹ほどのコボルド隊を切り離し、北東へ進めさせた。
テオドールを誘いこむ作戦は、騎士団心理としては、もう出来ないだろうと考えている。
ならば騎士団は、恐らくあまり突出せずに魔物を引き込み、迎撃する構えだろう。
そこで、 ]
コボルド隊はカレンを無視して、ペンホールズを直接叩け。
……さて、騎士団はこれを無視できるかな?
[ カレンを守る騎士たちは、これからを担う若き騎士から、シンクレア卿などの重鎮まで、輝かしい名が並ぶ。
騎士団がこのカレンをどれだけ重視しているかが、察せる顔ぶれだ。
それはそうだろう。カレンが落ちればペンホールズまでは一直線なのだから。 ]
少ない手数を裂いて、ペンホールズへの道を守るか?
それとも、ペンホールズが耐える事を信じて見捨てるか?
好きにすればいい。魔軍にとっては、失敗しようとたいして惜しい数でもないのでな。