旅人 ニコラス

― 夜の談話室・ジムゾンと ―

人数が減ると単純に人手が足りなくなって大変と思っていたけど、相談が進みやすいとか良いこともあるもんだ。

[”すったもんだ言う連中”との単語に、しみじみと感想を述べた。

モーリッツ爺を始めとする村のうるさ型は、揉め事が発生するたびに、やれあいつより俺へ先に話を通せとか、やれこいつの意見が優先されるのは納得できないとか、解決よりも序列や面子を重視する。

だからもし普段の村だったら、余所者カテゴリの僕が口を挟むや否や、お前はひっこんでろー！　と大合唱を食らうに違いない。

その点ジムゾンは、意見をフラットに聞いてくれる上に、提案も採用してくれるから、頭の固い奴らはまとめて神父様の爪の垢をフリーデル特製のハーブと一緒に煎じて飲め！　である。

嗚呼これは立派なほめ殺しなので、ご安心ください？]