― サクソー川/橋の北側 ―
……っ!
[敵軍接近、の報が入るのと、その姿が目に入ったのは、果たしてどちらが先だったか。
未だ距離はあるものの、一際抜きん出て見える巨躯は、違えるはずもない]
やっぱ。
くるよな。
[低く呟き、ぐ、と『霧雨』を握る手に力を込めた]
……弩隊、構えとけ。
槍部隊、わかってんな?
[低い声で指示を出す]
俺たちの目的は、あくまで、ここを守る事。
あいつらを、州都へ行かせねぇ事だ。
[自身にも言い聞かせるように、そう、告げる。
思い返すのは、軍議の際に交わした言葉]