護るなんて言えるほど、強い兄さんじゃないけどな。[それでも、きっと。 この気味悪い死者を弄ぶ力は、人の役には立てるはず。 もしこの村で、彼が襲われることがあったとしたら、 自らの異能を餌にして、盾くらいにはなれるだろうと。] もう、――― お前が、傷つくことは無いよ。[そう告げて、薬のついていない方の手でシモンの頭を撫でる。]