[ 自分の気持ちを表現する言葉は少なかったが、 まだうまく歩けぬころから慣れ親しんだ聖句は、 淀みなく流れた。 この旅で、使徒と話した言葉を全て合わせたよりも、多いかもしれない語句を一息に。 神の御手が確かに下りたと同時に、ユーリエは眉を寄せ、耐える顔をした。 光を宿しているかのように綺羅綺羅しい銀髪が、 少しくすんだように見えた。 ] ……ふ。