[目立つ銀の髪と瞳の容貌の、身籠った女。
生まれてくる子はおそらく、
母親と同じ銀か、父親のような金の色彩を持つ筈で。
軍内部には、見つけ次第、母子共に射殺せよとの密命のあったという。
そんな昔の命令が、今に活きているかは分からないし、
自分自身は、軍の脅威を身近にしたことはなかったけれど。
風花の村で生まれ育ったフリーデルへの安心はある。
余所から来たシモンも、悪い人ではないようだと噂や対話で思う。
けれど自分でも、失礼だとは思いつつ、軍関係者だった
というだけで、何処となく、避けてきた自覚はあった*]